一過性のブームに終わった13星座占いという考え方
90年代を生きたことがある人は、「13星座占い」という言葉に
聞き覚えがあると思います。
従来の12星座に加え、黄道に存在する「へびつかい座」を入れた
13星座が正しい、というもので、とてもブームになりました。
現在の天空の星座の位置は、
星占いの元になった占星術が成立した
約二千年前からだいぶずれているし、
正確には、へびつかい座の一部も行動にかかっているので、
現代に合わせて作り直すべきだ、というのが大まかな論拠でした。
それで、多くの人は、納得しました。
これからは13星座がスタンダードに
なるべきだ、と。
ただ、結果として、13星座占いは一過性のブームに終わり
人々の頭に「結局、あれはなんだったんだ・・・」という
スッキリしない思いを残す結果となりました。。
この記事では、なぜ12星座なのか、
その意味について書いていきます。
占星術が「12星座」である理由
12という数字は、古代より神聖視されてきました。
12星座もそうですし、
干支の十二支
キリスト教の12使徒などもそうです。
時計の文字盤は12までですし、
1ダースは12個のことです。
月の満ち欠け
これは、月が12回満ち欠けをすると
同じ季節が巡ってくることに関係があるとされています。
古代の人は地球が太陽の周りを回っていることを
知りませんから、12回月が満ち欠けすれば、
影の位置が元に戻り、種をまいたり、冬に備えたりできることを
不思議に思ったでしょう。
しかし、自然はいつも粛々と、12のサイクルを繰り返します。
永遠に春が続くことも、永遠に冬が続くこともありません。
こうしたことから、12回の月の満ち欠けのサイクルを
今を生きる私たちよりずっと、神秘=神の営みと考えたのです。
トロピカル方式と、サイデリアル方式
そのため、一年を12で区切り、それぞれに
黄道上の星座の名前を借りて冠す、
現在の12星座が生まれました。
このサイトで解説しているのは、
現在の黄道上にどの星座がいることは無視して、
春分の日を牡羊座の0度に定める方法で、
「トロピカル方式」と呼ばれています。
そして、春分の日を無視して、
黄道上にある実際の星座の牡羊座の0度を
牡羊座の起点とする方式を
「サイデリアル方式」と呼びます。
インド占星術は、こちらを採用しています。
また、冒頭で紹介した13星座占いも、こちらの考え方です。
確かに、トロピカル方式は
実際の黄道の星座を無視するため、
星座は「住所として名前を貸しているだけ」の状態と
なっています。
もともと、占星術が成立した時には
牡羊座が春分の日に0度にいたことを考えると
トロピカル方式は不十分な考え方に思えます。
この辺りは、占星術師によって考え方が異なるでしょう。
ただ、春分の日より一年を始め、
12のステップを踏みながら
螺旋を描き進んでいく、という考え方をすると、
トロピカル方式も違和感なく受け入れることができます。
星座たちは、あくまでわかりやすくするための象徴なのです。
12のステップで螺旋を描き進んでいく物語とは
この世は、同じようなサイクルを繰り返しながら、
しかし、以前とは違った形で進んでいきます。
陰と陽の双極図を思い出してみましょう。
陽の一部には陰が含まれており、陰には陽が含まれている。
どちらが優位になると、反転しもう一方になる。
それを永遠に繰り返すのです。
永遠に続く発展はありません。
発展し、衰退する。
拡大すると、収縮する。
それを繰り返すのが、この世の形なのです。
現代では、発展ばかり重要視され、
衰退や減退を怖がる傾向があります。
しかし、衰退は、次へ進む
重要なステップなのです。
そうして、車輪が回るように、
前へ進んでいくのです。
ただ、同じように繰り返すのでなく、
螺旋階段のように、少しずつ変化して進んでいくのです。
私たちの遺伝子が螺旋構造をしているのも
不思議な符号ですね。
牡羊座で始まり、魚座で終わる12星座は、
そういった、円環を描く一つの
成長のサイクルを描いた物語なのです。
12星座の12のステップについて
こちらの記事で詳しく解説します。